高校生だったころのこと。
プログレッシブロックという音楽と出会い、随分とのめりこんだことは前にも触れたかとおもうが。
渋谷陽一さんのラジオ番組のチェックをかかさず、音楽雑誌の隅々まで情報を探した。
テレビなどでは放送されるはずもなく〜
週末の放課後はレコード屋に入り浸りだった。
聞いたことのないアルバムは試聴させてもらい〜
レコード屋の博子姉ちゃんにはほんとにお世話になったな。
生まれて初めて買ったロックのLPレコードはピンクフロイドの炎!
ウィッシュユーワーヒアー
という曲が大好きだったなあ〜
ある時、レコード屋にて、とても幻想的なジャケットを発見!
当時は、ジャケ買いという言葉があるくらい〜ジャケットのデザインはとても大切な選択条件であったのだ。
ムーン マッドネス!
キャメルというイギリスのバンドの新譜だった。
試聴させてもらい、曲も大変気に入り、持ち帰り、何度となく聞き入った。
ライナーノートに彼らの過去の傑作!スノーグースのことが書かれていた。
どうしても、聞いてみたくて、私はその月のおこずかいは、ムーンマッドネスにつぎ込んでしまっていたので〜
友人の田中しんじ君をそそのかし〜
スノーグースを発注させたのだ〜
はたして、届いた、そのレコードは!
傑作だった。
涙がでた・・・
ポール ギャリコという作家の同名の小説をベースに一枚のアルバムで、その物語を見事に表現していた。
田中君はたいそう、そのレコードを気に入り、私の譲って欲しいという申し出に首をたてにふることはなかった。
後日、私は、スノーグースの小説を探したがなかなか見つけることは叶わず〜
ようやく、七つの人形の恋物語という作品に掲載されていることがわかり、読むことができた。
あれから、35年の歳月が流れ〜
先日、古書店の棚に、その文庫本を見つけた。
とてもとても懐かしい気持ちになり、買い求めた。
読み返してみると、こんなにも短い小説だったのかと・・・
だけど、50過ぎのオジサンの乾いた心がほどけていくには充分だった。
キャメルのスノーグースの中の、フリーザアローン〜独りぼっちのフリーザ〜が鮮やかに蘇って私の心の中を流れていた。
あの頃のレコードはお蔵入りになって久しい〜
もう一度、聞いてみたい。
今夜にでも、探してみよう〜
あっ、プレイヤー。
こないだ、オカリナ吹きの弟にあげてしまったのだった。
しまった〜
写真はスノーグースならぬ、スノードラゴン〜だな。